作品をこうして手にして、「長く待ち続けた物語がやっと動き出すんだなぁ」と小野先生に感謝しかありません。
ほぼ諦めていた十二国記の続編が読めて、今、本当に幸せです。

新潮文庫史上最高の初版発行数だそうで、私と同じように一緒に待ち続けていたファンが多くいたのだと実感し、大変嬉しく思います。
以下、ネタバレも多少ありますので未読の方はご注意ください。
1、2巻、まずはざっと泰麒のターンを中心に目を通しました。
泰麒と李斎が慶国から旅立った直後からの続編です。
ざっとと言いましても、1、2巻で5時間かかりました。
そのあとじっくりと伏線の取りこぼしがないよう丁寧に再読して、今読み終わったところです。
李斎と別行動を取るようになってからは、泰麒と同じように宮廷の状況や阿選のことが知りたくて、ほとんど李斎の場面は飛ばして読み進めましたが、いろいろな出会いがあったのですね。
新たな登場人物も続々登場し、これらの人物がのちの伏線回収のキーパーソンになるかと思うと気が抜けないのですが、油断するとすぐに人物や地名を忘れてしまいます。
アガサ・クリスティーの作品以来、久々に登場人物をメモしながら読みました。
18年たっても変わらない世界観で、本当にこれは架空世界のことなのか、と言いたいほど困窮にあえぐ戴国の現状や人々の状況が今まで以上に細かく描写されています。
今回は4巻に分かれているだけあり、話の展開が遅いので「とにかく驍宗様はどうなったの~」と、ちょっとやきもきさせられました。
私はアニメで十二国記を知ったので、初めて『月の夜 星の影(上)』を読んだ方は、このような気分だったのでしょうか。
私が読む前に気になっていた事柄は下記のとおりです。
- 阿選は妖魔(人妖?)に洗脳されたのか
- 戴の宝重とは
- 黒麒麟と他の麒麟の違うところ
- 花影や正頼、琅燦はどうなったのか
- 王様は手足を切り落とされて、一人閉じ込められている?または妖術で景麒のときのように身動きできないようにされている?
- 柳国が関わっているのか
結果、この1、2巻で正頼と琅燦のことだけ少しわかりました。
読了後、勝手に想像している事柄は下記のとおりです。
- 耶利の主人は琅燦
- 阿選が王に成り得ない理由は恐らく本姓が朴で驍宗と同じため
- 驍宗は泰麒のことを「台輔」とは呼ばないので、亡くなったとされる人は英章または別の人物
- 驍宗は自力で脱出できず、途中で登場した父娘が新月の時に流していた死者のための食料などで生きながらえている
- 鳩は主要人物の誰かでは(半獣?考えすぎ?)
これらが今後3、4巻でどう解決していくのかワクワクします。
今はまだ伏線が散りばめられている状態ですが、小野先生のことですから、後半は怒涛の展開で、いつもどおり綺麗にまとめてくださるでしょう。
3、4巻発売まであと1週間、今は『風の海 迷宮の岸』を読んで戴国の話を振り返っています。(振り返りすぎでしょうか?)
『魔性の子』から続いた十二国記の本編がそろそろ終わってしまうと思うと、しみじみしてしまいます。
戴に本格的な冬が来る前に、どうか幸せな結末を迎えて欲しいものです。
いずれにしてもどんな壮大な結末が待っているのか、非常に楽しみです。
